手術・治療
Treatment

これまでの診療・手術治療について

眼球の大きさは2cm程度と小さいですが、多くの部品から成り立っており、様々な疾患が生じます。
私は、この眼科領域の疾患に可能な限りの手術・薬物治療に努めてきました。
白内障手術、緑内障手術、斜視手術、眼瞼腫瘍・眼窩腫瘍摘出、結膜疾患や結膜腫瘍に対しての結膜弁移植・口唇粘膜移植、眼瞼形成、網膜疾患、涙嚢炎や鼻涙管閉塞の涙道再建(骨ドリル使用)、角膜混濁に対しての角膜移植、未熟児網膜症への網膜光凝固など。
また、角膜潰瘍(細菌性、真菌性、ヘルペス、アカントアメーバ、外傷、薬物腐食、免疫異常)の治療。眼外傷などに対しての縫合・眼球摘出・眼球内容除去・義眼作成指導。

平成13年の当院の開院後は、白内障手術、緑内障手術、硝子体手術(網膜剥離・黄斑円孔・黄斑上膜・増殖性糖尿病網膜症・網膜静脈閉塞・硝子体出血など)、眼瞼内反や眼瞼外反の手術、顔面神経麻痺後の眼瞼形成、眼瞼腫瘍切除、表在性の眼窩腫瘍摘出、斜視手術、先天性および後天性眼瞼下垂(眼瞼皮膚弛緩切除、眼瞼挙筋短縮、Müller筋短縮、吊り上げ法など)、鼻涙管閉塞(涙道内視鏡・鼻内視鏡・ステント留置)、角膜乱視矯正(AK手術)を行っていました。

地域のクリニックの立場であるため結膜・角膜疾患が多く、そのために角膜擦過・結膜擦過・眼脂採取を行い、位相差顕微鏡を用いての検査も施行。ディフ・クイック染色(ギムザ染色に準じる)での分泌物内の細菌検査・白血球検査(好中球・好酸球・リンパ球・細胞内の核小体のチェックなど)により疾患原因を精査して、治療を行っていました。

現在の診療について

院長紹介当地域でも高齢の患者様が多くなり、手術件数も増加。月・火・木・金曜日の午後に手術を行なっていますが、多様な疾患の手術は時間的に困難となっていました。
このため、当院での手術は、今では対象を以下についてのみ施行しています。
白内障手術・緑内障手術・眼瞼下垂・眼瞼内反・翼状片切除です。
そのほかの疾患の手術は、他施設へのご紹介をさせていただいています。

当院での手術について

白内障手術は、新しい医療機器と手術手技の改善により、数年前よりもさらに良好な結果を得る事が可能となりました。
白内障術により、近視・遠視・乱視を治すことが可能ですが、その矯正の精度も増しています。
また、選定療養を用いた多焦点眼内レンズ(令和2年3月までは、先進医療)により、老視の矯正も行っています。
難治性の白内障手術は硝子体切除手術を併用することもあり、緑内障の合併では白内障手術との同時手術も施行。眼瞼内反手術・翼状片手術は、電気メスを使用し、手術時間の短縮と矯正効果が改善しています。
眼瞼下垂手術は、炭酸ガスレーザーおよび電気メスを使用してMüller筋短縮を行っています。また、糖尿病網膜症・網膜血管閉塞・加齢黄斑変性症などに対して抗VEGF剤の硝子体注射により、視力の維持・改善が得られるようになりました。

当院での白内障手術について

可能な限りの 

     

を行ないます。

手術についての緊張を抑えるために、種々の薬剤を使用します。
使用薬剤の種類と薬剤の量は、その人の緊張の程度により変えています。
緊張が強い方には麻酔量と使用薬剤を増やしますが、その場合には目が覚めるまでに2時間ほどかかります。通常は、浅い麻酔下での手術を行ないますので、そのまま帰宅が可能です。

白内障の手術は、精密な手術が可能となり、屈折矯正手術に近くなっています。
手術を行なうことで、近視矯正・遠視矯正・乱視も軽減させます。

また、多焦点レンズの使用により、老視の軽減・矯正が可能ともなっています。
多焦点レンズを用いた手術は、選定療養(以前の先進医療)のために多焦点レンズの費用が別途に必要となります。

不整な乱視・角膜混濁・眼底疾患・緑内障・瞳孔の大きさの異常・白内障(水晶体)を支える土台の異常などがなければ、良好な視力改善を得る事が可能です。

多焦点眼内レンズについて(老視矯正)

国内での多焦点眼内レンズは、2008年に先進医療として使用可能となりました。当時の多焦点レンズは2焦点レンズであり、コントラスト感度の低下・夜間の視力障害といった問題点がありました。
このため、多焦点眼内レンズを使用した白内障手術に満足できないケースがあることが多数報告されていました。2017年に焦点深度拡張型レンズが認可され、これを機に多焦点眼内レンズが使いやすくなり、国内では急速に多焦点眼内レンズを扱う施設が増加しました。
当院でも、以前の多焦点眼内レンズでは視力不良の可能性を心配し使用しておりませんでしたが、焦点深度拡張型レンズの認可後より使用を開始しております。このレンズを使用することで老視の軽減・改善を行なえるようになっています。
2018年には焦点深度拡張型レンズに乱視矯正レンズが追加されています。さらに、2019年には国内で3焦点眼内レンズの使用も認可。当院では、焦点深度拡張型レンズ、または3焦点眼内レンズ(乱視矯正タイプを含む)を用いた手術を行なっています。また多焦点眼内レンズに準じた分節型レンズの使用手術も可能です。
多焦点眼内レンズを用いた手術は、先進医療の名称で手術費用のすべてが自己負担でした。2020年4月1日より、この手術は先進医療から外されています。代わりに、選定療養の名称で保険適応となっています。
ただし、多焦点レンズ使用時のレンズ費用だけは、別途に自己負担が必要となります。この手術をご希望される方は、その詳細について当院の受付・スタッフがご説明いたします。

当院での緑内障手術について

緑内障の治療は、主として点眼薬による薬物治療と手術治療があります。
当院では、種々の点眼薬を用いた薬物治療をおこなっています。
ただし、多種の薬物治療でコントロールできない場合は、手術治療の選択が必要となります。
当院でおこなっている手術治療は以下のとおりです。

  1. SLT目の中の水分が流出する場所である線維柱帯にレーザー光線を当てることで、眼圧下降を得る事を目指す治療です。
    短時間で治療を終えることができますが、治療後の眼圧下降には、個人差があり、眼圧下降効果を得られない場合もあります。
  2. 線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)眼圧下降効果を最も得る事ができる手術です。ただし、手術後の眼圧コントロールに注意が必要であり、手術後の通院治療が長く必要となります。
    当院では、これまでに多数の患者様に線維柱帯切除手術を施行しています。
  3. MIGS ( iStent アイステント )眼内の水分を流出させるためのステントを目の中に挿入することにより、眼圧を下げる手術です。これは白内障手術と同時に行います。